大阪では幼稚園教諭、喫茶店経営と農家にはまったく縁のない私が
どうしてここのいるのかと言うと・・・・・。
20代前半の頃友達と北海道に旅行に来た。
かなりハードなスケジュールで今になって一体どこに行ったんだっけ?
とあまり思い出せないにもかかわらず
ただただここの景色を見て慌しくすぎていく大阪での生活の中では
決して味わえない最高の気分を満喫し
「こんな所で子供と過ごせたら・・・。」と一瞬血迷った(笑)考えが頭をよぎった気がする。
でもその時はそれですっかり忘れてしまってたんだよねえ・・・・。

それから数年たって旦那に出会った。
農家の仕事なんてしたことないしまして同居・・・。
大阪と北海道なんてあまりにも遠すぎるし・・・・。
などなど問題は山のようにあったにも関わらず
「この人とならなんとかなる。やっていける。」と確信しはるばる大阪からお嫁に来た。
どきどきしながら始まったここでの生活も今年の夏で5年目を迎え
不安だった同居生活もなんとかやっている今日この頃・・・。
最近ここでの生活がなんとなくしっくり来るようになってきたのは自分でも驚き。

 でもそんな中でいまだに好きじゃないのが「○○さんちのお嫁さん」という言葉。
同居でなかったらきっと「○○さん」とか「○○クンのお母さん」で済むんだろうけど
ここでは必ず「○○さんちのお嫁さん」というのが後を突いて回る・・・。
私には親がつけてくれた名前がちゃんとあるし、
私の意思で私が選んだ人の妻になっただけなのにまるで嫁にもらっていただいたかの
気分にさせるこの言葉は嫌いだ。これからも決して好きになれないと思う。
こんなこと考えたりするなんて変なのかしら・・・・・?。

 平成15年 夏
がらがらヤッケに・・・  農家嫁は思う

今はまだ子供が小さいので私は家の仕事を手伝っていません!!。
でもじじ様&ばば様も年だし(年のわりにはかなり元気でまだまだ仕事は現役です。)
きっと近いうちに畑デビューする時が来るでしょう。

 でもその時に絶対したくないのが「農家のおば様スタイル」。
あの給食のおばさんみたいな顔をすっぽり覆うくらいの大きなつばがついた帽子に
何故か花柄のナイロン製のカッパのような上下。(ヤッケというらしい・・・)     
あれはいただけない・・・(笑)。
でも一応よく見ると花柄がちょっと違っていたり色もカラフルなのがあったりするんだけど   
私には
「どれも一緒」な気がする。

どうして農家のおばさんといえばあの格好が定番なんだろう。
私にはわからない何か特別な素晴らしい機能でもあるのかしら。
「仕事して汚れるんだからきれいな格好でなんてやってられない」なんて言われそうだけれど、 
もっと汚れる仕事は世の中に一杯あるはず。
農業が特別汚れるわけでもないし
まして世の中に溢れる沢山の職業の一つにすぎないと思うんだけど。
もっとオシャレなのがあればきっと仕事も楽しくできそうな気がするんだけどなあ。
ああ誰か私が畑デビューする頃までにオシャレな仕事服を考えてくれないかしら。

平成15年 夏

フレッシュって・・・・おいおい。

農家のお嫁さんは大抵フレッシュミセスと言う集まりに参加している。
地域ごとに集まって旅行に行ったり
いろんな事をして交流を持つんだけれど
(この集まりは結構楽しいので毎回欠かさず出席してる。)
   初めて聞いたのは「若妻」という言葉。
この「若妻」って言うのにかなり抵抗があったのは言うまでもない(笑)。
その後名前を変更して「フレッシュミセス」に変わったらしいけれど
これもまたかなり恥ずかしいネーミング。
  私のお友達がある観光地のホテルに勤めていた時
「○○フレッシュミセス御一行様」という団体客が来たので
「どんなフレッシュかと楽しみに見たらどう見ても全員40は超えてた・・
あれはフレッシュとは言えない」って笑ってた。
まあ農家は後継者がいなくて全体的に年齢層が高くなってきてるそうなので
仕方ないんだろうけど。
私もそろそろ「フレッシュ」とは縁遠い年齢の仲間入りなんでしょうか・・・?
でも見た目を気にしていればいつまでもフレッシュさ・・・・。たぶん・・・・。 

農家嫁の思うこと

私が住んでいるところの農家のお嫁様はわりと皆さんおしゃれな人が多く
仕事以外の時間は気を使っていてちゃんと女してる気がする。
 でも同じ町内の農家でも聞くところによると
フレッシュミセスで集まったりする時
とんでもない格好で現れる人もいるとか・・・。
まだ30代前半のはずなのにどう見ても40過ぎに見えるなんてことも。
 農家の仕事って家から畑に通勤してまた家に帰ってくるの繰り返しで
誰かの目を気にすることもない。
「このシャツにこのパンツは合わなかったかな?」とか
「今日はお化粧ののりが悪いなあ。」なんてことは
一切無縁なのがこの世界で、たまたまよその人に会ったとしてもその人も
農家の人だったりする。
きっとこういう毎日を過ごして行く中で少しずつ女としての部分を
忘れていってしまうのかもしれない。
 たまたまお嫁に来た地域がおしゃれな人が多いからよかったけれど、
気を使わない人ばっかりが多い地域だったら私どうなってたんだろう・・?。
 でもこういう地域にも本州(関西、関東なども)からのお嫁さんは沢山いるはずなんだけれど・・・。
郷に入ったら・・・のことわざ通りどっぷり影響されてしまっているのかしら・・・。 
やっぱり女に生まれたからには
いつまでも可愛くいたいよねえ・・・。

平成15年 秋
もう手放せない

とっても不思議なことがある・・・。
それはじいじがかぶってる帽子のこと・・・・・。
それもN I*NOとか、K U B *TA等の農機具関係の帽子。
粗品としてもらえるやつ。
仕事の時はまあいいでしょう。
でもね・・・お出かけする時にもわざわざかぶる必要はないと思うのよ。
普段着ない服を引っ張り出して着ているのにその格好に帽子かぶるの?
って聞きたくなるもの。
一応お出かけ用と仕事用の帽子は別みたいなんだけれど。
他の農家のおじさん達も同じなんだけれどなぜか必ず帽子をかぶってます。
だからす〜ぐ「あっ!このおじさんも農家の人だ。」ってわかってしまうのだ。(笑)
きっと毎日かぶってるからもう手放せないんでしょうね。
「じいじ・・・帽子ばっかかぶってるとはげちゃうよ」。

もちろんうちのお父さんも仕事中は「KUB*TA」って書いてある帽子をしっかりかぶってます。
じいじと呼ばれる頃にはまた一人帽子のおじさんができあがるのかしら・・・?。
しっかり予備軍です。
あ〜やだやだ。
せめてそっち系以外の帽子にしようよ・・・。

 結婚について思うこと

よく「○○さんは幸せなんだよ。
パチンコ行かせてもらって毎日お酒のませてもらってるし・・・」。
  お婿に入って農家継いでお嫁さんの両親と同居のどこが・・・?って思うんだけど。
  「・・・してもらってる」「・・・させてもらってる」ってなんか変。
   たとえお嫁さん側の実家の仕事を手伝っていたとしてもこれが同居でなかったら
  旦那さんが自分の働いたお金でパチンコに行こうが毎晩晩酌しようが
  「よくしてもらって幸せな人」なんて誰が思う?
  結婚して家庭を持って仕事に行っていたら当たり前な事だし
  話題にあがる事自体おかしいと思うんだけれど・・・。
  なんか時々「それはそんなに大変な事?」
「当たり前でしょ」と思う事が一杯ある。
  これも同居にたいする考えのずれが原因。
  別に親お捨てるわけじゃないけど
結婚したら新しい家庭を築いていくという事じゃないのかしら。
なんか考え方が違うんだよね・・・。
 
 同居について思うこと

 ここは同居が当たり前。
  じいじ&ばあばの世代はそれが当たり前だと思ってる。
パパの世代もそう思っているのかはわからないけれど
  なんか同居ってナンセンスなシステムだと思うんだけれど・・・。親の介護などは抜きにして。
  普通の人は社会に出て親から自立して結婚したら新しく家庭を持って家族と生活する。
  なのにここはいつまでも親と一緒。仕事も一緒。
  だから考えが偏っていると言うか古いと言うか・・・自立できてないと言うか・・。。
  大抵の人は「人に使われるのはいや、自分のペースでできる」なんて言うけれど
裏を返せば社会に出る事ができないという事のように思える。
  確かに「農業」と言う職種はいい仕事だと思うけれどそれと親から独立して生活しないのはなんか違うと思う。
   
  例えば奥さんが出かける時普通の家庭なら旦那さんが子供を見る。でも同居だとじじ&ばばまかせ。
  これが気を使う原因。
  家事もたまにはしないといけない時があるでしょう・・家族だけの生活なんだったら。
 (しない人もいるけれど)それもない。
  じじばばはいつまでたっても可愛い息子扱い。(うちは違うかなあ)  ホントあげるときりがない・・・。
  誰が「同居」なんてシステム考えたんだろう・・・。

  我が家と言えば・・・私ってずるいから結婚する前に
  「あなたは結婚しても私が一人増えるだけでなんの生活も変わらないでしょ。
  すむ所も生活習慣も何もかも。でも私は何もかも変わるんだよ。
  気苦労が絶えなくなるんだから同居で・・・。それをわかって結婚しようって言ってるの?」と 
  釘をさしてから結婚したのでいろんな事にとっても協力的です。
  とはいえ考えは古いんだけど・・・。

  という事で私は子供達が結婚しても同居しません。したくない。
  それにたとえ農家を継ぐとしても1度は自立して家を出てもらうつもり。
  場所は北海道ではなく大都市と言われる所。
  田舎、農家のよさはきっと外に出て見ないとわからないしちゃんと世の中に出て
  社会的経済的自立がどんなものか経験してから継いでもらいたい。   

 
  まあまだまだ先の事なんだけどね・・・。
町議選に思うこと

この選挙もかなりのカルチャーショックの種。
4年前は妊婦だったので免れたけれど今年はそうも行かない・・・。
絶対やりたくないよ・・・と4年前は心の中で叫びながら選挙カーに手を振っていたっけ。
でも
ああ・・・この歳でうぐいす嬢になるとは思ってもみなかった。
選挙なんて投票に行けばそれでよかった生活をしていたものだから
自分たちの住んでいる地区から候補を出してその人を本当に応援するとかしないとかは
関係なくて・・・。
皆で選挙戦をのり切るなんて・・・ねぇ。
確かに農家の議員がいるほうが良いに決まってるのはわかるけど
何だかね〜。まるでお祭りみたいです。
とは言えやらなきゃならないんだったら仕方がない。
腹をくくって叫んできましたよ(やけくそ)。
○○候補をよろしくお願いしま〜ス!!ってね。
でもさあ・・・これまた不思議。
やっぱ大きな声を出すのって気持ちいい!!
いつのまにかカラオケ気分に浸っている私なのでした。
でもやっぱりもう4年後は勘弁してください。

平成15年春
お葬式に思うこと・・・。

普通誰かがなくなったら悲しい事だよねえ・・・。
でもなんか違う。
私はお葬式は業者の人が取り仕切ってくれて
親族はもちろん、友人、ご近所の方皆でお通夜、お葬式に
出席するだけだと思っていた。
でもここはご近所の方が総出でお手伝いをする。
だから司会から会計・・・と役割が決まっているらしい。
この担当も大変そう。
また会計にあたったとかあの人は仕切るだけで何もしないとかなんとか。
もちろんおばちゃんたちは食事の準備係で2日間くらいは出ることになっているんだけれど
田舎はなんセ高齢者が一杯。
お葬式が立て続けにあって夏なんかだと信じられない言葉が
飛び交ってるとか・・・。
「ああキャベツが大きくなりすぎて割れるわぁとか
白菜が、大根が・・・。」
これって死ぬ時期を考えてくれって事?
信じられないです。まったく!!
だから私は宣言します!!
私が死んだら○○葬儀社とかの業者に頼んでくださいって。
遺言状にでも書いておこうかしら。
夏に死んだら何言われるかわからないもの。
あ〜恐ろしや・・・。

平成16年 
country life
美瑛で暮らしていて感じたことを
そのまま書いてみました・・・。
がらがらヤッケの秘密

やっと判明したことがある。
それはずっと気になっていた花柄ヤッケのこと。
あの原色で柄柄な度派手なデザインは汚れが目立たないのだ!!
確かにあんだけ派手なら泥汚れに勝る!!
赤や青それになぜか紫。
紫好きは大阪人だけじゃなかったのね。
農業おばさんも好きだったんだわ。

いくら茶色く泥汚れがついても目に入るのは度派手な柄柄・・・。
ああ・・・何てことなの。
すばらしい機能じゃない!!うんうん。
柄柄やっけ万歳!!

なんて事は思いません。
やっぱり私は着たくない・・・。

越冬野菜の憂鬱

毎年雪が降る時期になると
ばばちゃんたちはいっせいに忙しくなる。
秋に収穫した野菜をせっせと雪の中に埋めるのだ。
それを冬の間少しずつ出しては食べるはずなんだけど・・。
でもねえ吹雪いていたりすると出せないのよこれが。
だから結果的に私はスーパーに言って野菜を買うことに
なるんだけど、すると「あったのに・・・」って。
いや
「あったのに」といわれても使いたいときになければ
意味がないのでは・・・。
それに春になって雪が融けて台所に運び込まれた野菜たち
芋や大根は確かに寝かせたほうが甘さもまして美味しいけれど
白菜やキャベツは
どう見ても青々として・・・とは言い切れない代物でして。
これなら新鮮な野菜を火って食べた方がいいような気がするのは私だけでしょうかね。
確かに越冬野菜は甘さが載って美味しいとは言うんだけど。
上手な保存の仕方誰か教えてください。 
  
傘って知ってる?

我が家には傘が存在しない。
もしかしたらうちだけかもしれないけれど・・・。
でもどこかに行くのも車。隣のうちに行くのにも車。
玄関からすぐ車に乗り込みまた玄関に飛び込むんだから
確かに必要はないかも。
冬に雪が降っても同じく。
雪はさらさらのパウダースノーだからポンポンと体をはたけば
雪はさらさらと零れ落ち元通り。
確かに子供を連れてもお出かけにあいにくの雨なら荷物が少なくていいんだけど。
だからかうちの野サルたちはスーパーで傘を見つけると
ひたすら振り回すか地面をゴンゴンとつつきまくるのだ。
私にとっての日常は彼らにとって非日常ということががここでの生活の中には
たくさん潜んでいるのかもしれない。
う〜ん母はこんなことにビックらするとは思いもしなかったわ・・・。
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